キャバレー香港
始めて新潟市を訪れて古町方面に向かって万代橋を歩いていると、右手にドーム型の茶色?の大きな建物が見えた。「何だあれは?」と思うほどの異様な大きさだ。建物にはネオンサインがあって、「香港」の文字。後で知るのだが、日本海側で最大級のグランドキャバレーだった。
当時は「北島三郎ショー」や「森進一ショー」といった派手な幕がいつも懸かっていて、全盛期は過ぎていたが、多くのお客様が入っていたようだ。ここにも営業に行った。
建物の内部はツルツルの大理石などをふんだんに使っていたように記憶しているが、実際のところは定かではない。階段を上って中に入るとまさにドーム。高い天井から照明が下がり、正面ステージの前には物凄く広いダンスフロア。このダンスフロアを取り囲むように客席が配置されている。まさに昭和のグランドキャバレーだ。夜な夜な生バンドの演奏に合わせてダンスが繰り広げられていたに違いない。新入社員の自分は圧倒されてしまった。
残念ながら香港の営業は成立しなかったが、市内には西堀通にもアカデミー?とかいくつかのグランドキャバレーが残っていて、CMを出してくれるところもあった。居酒屋やクラブ、バーも新局にとっては大切なお客様だ。ファンをいっぱい獲得しなければならない。本社の営業マンは、夜の街を一軒一軒回りながら開局記念スポットを売り歩いていた。