巨人戦
テレビ新潟が開局して一番喜ばれたのが巨人戦の中継だった。視聴率も毎回30%を超え、テレビ番組の王様だった。どのスポンサーも巨人戦のCM枠を欲しがった。視聴率が高ければ広告効果も高いので当然だ。しかし、CM枠には限りがあり、全てのリクエストに応えることはできない。結局は優良スポンサー、つまり出稿金額の多いスポンサーが優先的に獲得することになる。
そんな巨人戦だが、だいたい試合の途中で中継が切れる。すると一斉にクレームの電話が殺到する。当初はそんなことも知らず、残業していてたまたま電話に出ると、視聴者からのクレームを延々と聞かされるハメになる。大事な視聴者なので無下に扱う訳にもいかない。苦情処理係の仕事とは本当に大変だと頭が下がる。
「巨人、大鵬、卵焼き」。王、長嶋が活躍するプロ野球中継が長い間、お茶の間の人気を独占してきたのだが、それも変化が現れる。取って代わったのがお笑いだ。今やバラエティ番組がテレビの主役といっても過言ではない。
それでもテレビの醍醐味は生放送。スポーツ番組は今でもテレビの大切なコンテンツだ。テレビの創成期はプロレスやボクシング、プロ野球中継、そしてW杯サッカー、ラグビー、ゴルフなど、テレビは様々なスポーツシーンを映して感動を伝えてきた。
この前のWBCは、全ての日本戦が40%を超えるというとんでもない数字を叩き出した。若者はテレビを見なくなったといわれるが、良い番組を放送すれば必ず視聴者は戻ってくるはずだ。ライブで楽しめるスポーツは、テレビにとって最も相性の良いコンテンツだ。これからもそれは変わらないだろう。